SKETCH FROM SCRATCH
DATE
2023.11.19
2023.11.19 FULL

神戸マラソン2023

神戸マラソン2023の仮画像
GOAL TIME2:49:19NET TIME2:48:33
AVERAGE PACE4:00/km平均ペース
WEATHER晴れ11.5°C / 70%
SHOESNIKEZOOMX VAPORFLY NEXT%3

01レース前日まで

神戸マラソン2023のレース前日までの画像

丹波篠山ABCマラソンで念願のサブスリーを達成し、1年ぶりに迎えた神戸マラソン。「神戸マラソンの借りは神戸マラソンでしか返せない」と感じる日々。当時は春夏のレースには出場せず、フルマラソン本番にさえコミットすれば良いという考えで動いていた。本格的に神戸マラソンに向けて動き出したのは、6月から。6、7月は週2、3日に1度、4〜8kのペース走を中心に、月1、2回ほど約1kの坂道TTをこなす程度。しかし8月は、練習できない日々が続き、特に下旬はほとんど走れず、月間走行距離はなんとたったの25.3kだった。

9月に練習を再開し、4〜12kのペース走を週に3〜5回。月間走行距離は113.8km。そして、前月の10月は9月と同程度の頻度と強度で練習を行い、フルマラソン1ヶ月前の距離走という位置付けで、単独練習でハーフ(21.1k)TTを行った。記録は1時間25分58秒。練習を再開してから1ヶ月半ほどで、単独でフルマラソン2時間55分を切るペースで走ることができた。フラットなコース+涼しい気候+応援という最高の環境があれば、フルマラソンでも2時間55分で走れるのではないかと考えた。目標タイムは「2時間55分」。その目標を常に掲げ、何度もYouTubeで神戸マラソンのコースをおさらいし、イメージトレーニングを行なった。また、YouTubeに投稿されているランナーのレース動画を漁っては、まるでサッカー少年がプロサッカー選手のプレーを見て真似をするように、レース展開やフォームなどを研究した。特に何度も見ていたのは2020年の東京マラソン。そこで走る大迫傑選手。集団の中で起きる様々なトラブルにも落ち着いて対応し、自身の身体と相談しながらレース展開を見極めて走りで日本記録を更新していた。レース展開によって目標や走り方を柔軟に変えることが好記録に繋がるということを見て感じた。

11月に入ると、10〜13kのペース走をこなしながら徐々に調子を上げていき、レース3日前の刺激練習16k走では平均ペース3:48/kmで走ることができた。振り返ると、「ピーキング」を意識し始めたのもこの時期で、直前1週間は、とにかく炭水化物を多く摂取することを意識した。格闘技の知識は全くないが、まるでボクシング選手の計量後のリカバリーのように炭水化物を摂り、「カーボローディング」を行なった。練習量自体は一般的に見てもかなり少なかったが、2、3日に1度の頻度で、1度の練習で比較的強度の高い練習を継続して行い、レース当日を迎えた。レースの補給食に関しては丹波篠山ABCマラソンからは大きく変えずに、レース前用に写真の上半分、レース中用に下半分を用意した。

02レース当日

区間ラップ累計ペース (/km)
0-5km0:19:570:20:433:59
5-10km0:19:420:40:253:56
10-15km0:19:421:00:073:56
15-20km0:19:321:19:393:54
20-25km0:19:241:39:033:53
25-30km0:19:471:58:503:57
30-35km0:20:312:19:214:06
35-40km0:21:142:40:354:15
40-Finish0:08:442:49:193:59
PACE PROGRESSIONmin/km

当日、駅に到着するとダウンジャケットを着ている人々が行き交う寒さだった。前述の通り、今回はレース展開に合わせて目標を柔軟に変えることも意識していた。「目標は2時間55分。展開によってはサブエガ(2時間50分切り)を狙うイメージ。サブエガを狙えるところまで狙って、結果として2時間55分を切れれば◎。大きく崩れた場合でも、最低ラインはサブスリー。」

そして9時の号砲でレース開始。Aブロックからスタートラインを踏むまでのギャップは46秒。前回の神戸マラソンより周囲が速く、その流れに身を任せて最初の1kは4分12秒。そして次の1kを3分42秒で走る。そこにはサブスリー集団が大きくなる前にペーサーを追い抜くという作戦があった。「やばいこのままのペースで行けば絶対すぐ脚終わる。でも意味わからんくらい楽。」そのままサブエガの平均ペースに近い4:00/kmを切るペースで走り、10k地点手前で補給食1つ目を摂取。

10kを過ぎてもペースを楽に維持できていたため、ここで「サブエガ(2時間50分切り)」を果敢に狙いに行くことを決心。その後の長い直線上のコースでは、前の集団に追いついては抜き、さらに前の集団を追い、追いついては、また前の集団を追う。それを繰り返すレース展開。この集団を渡り歩くような作戦がうまくハマり、ハーフを1時間23分53秒で通過。その時点で、当初掲げていた2時間55分切りという目標は頭から完全に消えていた。「サブエガへの貯金は1分ちょっと。復路は少し単調できついし、上り坂(浜手バイパス)も待ってる。1キロ1キロ集中していこう。」

すると、25k過ぎの海沿いの直線で集中が切れ始め、呼吸がきつく腕が痺れ始めていたので、丹波篠山ABCマラソンと同様に補給食の摂取を早めて乗り切ろうとした。しかし、腕の痺れは取れたものの、身体全体のだるさや精神的なしんどさが抜けず、集中力との戦いが続いた。すると、直線を抜けた27k地点過ぎに友人の応援が待っていた。自然と笑顔になり、集中力のスイッチを入れ直すことができた。そして、再び身体を前に進める力に変えることができた。当時を振り返るとこの応援ポイントがレース最大のキーポイントになったと感じている。

そして、30k、35kと3:50〜4:00/kmのペースを維持して走り続け、前回苦しんだ37k過ぎの心臓破りの坂道へ。「ここからの5kが本当のレース。歩いたら絶対負ける。絶対止まらない、歩かない。」ペースは4:15/kmを少し上回るペースで坂道を登り、その後もバイパスを走り続ける。神戸大橋を抜けて、ポートアイランドへ。40kの通過が2時間40分35秒。「ここまで攣らずペースも大きく落とさずに走れてる。絶対サブエガに間に合わせるぞ。」頭の中はサブエガしかなかった。いわゆるゾーンのような感覚で最後まで駆け抜け、2時間49分19秒でゴール。前回の神戸マラソンと同じく、レース中に当初より上の目標へ切り替える展開になったが、今回はその挑戦を大成功で終えることができた。

03レース後総括

レースの振り返りとしては、今回もレースプランや補給食など、采配が的中したことがサブエガ達成の大きな要因となった。ただ、それ以上に大きかったのが、27k過ぎで集中力を取り戻せたことだった。もちろんこれまでにしていただいた応援は全て感謝しているが、レース結果が左右されるほど「応援に救われた」と感じられた経験は後にも先にもこのレースが一番だった。特にフルマラソンのような数時間走り続ける競技となると、苦しくなったタイミングやトラブルがあった際に集中が切れてしまうことも少なくなく、途端に呼吸が荒れ始めたり、一気に疲労感に襲われることも起こりうる。「集中力」という言葉が抽象的に感じられるかもしれないが、気持ちのブレは呼吸やフォームにも伝染する。きつい練習に耐え、実力を着実につけるのと同様、もしくはそれ以上に「実力を最大限発揮すること」も大切だということを身をもって学んだ。

また、一個人で走っているランナーへの応援のありがたみを再実感できたことで、以後レースで「応援したい」と思ってもらえるような、日頃の振る舞いや人との関わり方も大切だと学んだ。2023/24シーズンのレースは本大会をもって終了。そして3ヶ月間のランニング休止期間を経て、次のシーズンへ。